神田葡萄園は岩手県陸前高田市の太平洋岸にあり、広田湾へは直線にして約500mという海寄りに位置する葡萄園です。

　平成23年3月11日に発生した東日本大震災では甚大な被害を受けたそうですが、同年7月には営業再開を果たしました。

　さて神田葡萄園は地名から由来していますが、歴史も古く明治の初めに梨や林檎の果樹栽培から始まり、明治22年に植えた葡萄が育ち過ぎ、生食売りでは裁ききれず生汁を一升一円で売り出し、更に明治38年に葡萄酒製造免許を取得し商いを順調に進めましたが、昭和28年に一旦葡萄酒製造免許を返上し、果汁飲料類製造に専念しました。そして昭和45年に炭酸飲料類製造に乗り出し、この「マスカットサイダー」が誕生しました。また萄酒製造は平成18年に再開しワインも発売しています。

　この昭和45年に誕生した「マスカットサイダー」は、当時炭酸飲料が一世風靡した時期でもあり、葡萄園
らしいサイダーをと苦心に苦心を重ね開発されました。その甲斐あって当時から変わらぬ仄かなマスカットの風味を生かした地サイダーとして、今でもこの陸前高田の地に根付いた地サイダーとしてご当地人気を博しています。

　また製法も当時から機械を用い、小ロット生産しています。ラベルデザインも誕生時から変わらず商売繁盛を祈願してえびす様をトレードマークにしたエビス印がラベル中央に鎮座しています。